昭和ロマンが、今、人の胸をうち感動を呼ぶ、そんな時代になったそうこの映画のヒットで思いました。
ロマンを大辞林 辞書で確かめました。
「小説のように変化に富み、かつ甘美な筋をもった出来事。恋愛事件などにいうことが多い。ロマンス。小説のように変化に富んだ大冒険や一大事業。」辞書が教えてくれた意味です。
なるほどと思います、ロマンとは要するに「甘美」(甘い)で小説のように架空のこと(現実的でない)との事なんですね。
でもどうしてそんな非現実を人は求めるのでしょう。また今どうしてこんな映画がヒットするのでしょう。
人々は甘美」(甘い)で小説のように架空のこと(現実的でない)物を求めているのでしょうか。私はそうだと思いました。現実的でない、甘いロマンを欲しがっているんだと思います。
私の世代は戦中生まれの戦後育ちで、飢えの中からロマンを求めた世代でした。
この映画の時代のあとは、高度成長、所得倍増を日本人は達成して経済的に豊かな社会を作りました。そして今日、21世紀初頭には世界で一番長寿の社会を作ったのです。
すでに不老長寿を手に入れた世界でもまれな国を作ったんですから、パラダイス(天国)に日本人は入ったんです。
ところが、パラダイスをつかんだとたん、天国では起こるはずのない殺人事件が多発します。高齢者の妻殺し、夫殺し、母親の幼児殺し、我が子殺し、小学生の同級生殺しなど等、貧しい昭和30年代には起こりえなかった事件がパラダイスで起こっているのです。 三丁目の夕日はパラダイスの矛盾に過去から答えのヒントを呼びかけているんではないかと私は思いました。
舞台は東京ですから、私の育った田舎町とは違いますが、昭和30年代にあった空気が充満しています。東京下町の人々、焼け野原殻小さな町を作ってきた隣近所の濃密な付き合いがありました。
何度の出て来る夕日町の路地風景、そこで展開される人付き合い模様。下町の叙情はすでに忘れてしまった日本人の情でした。
あの葛飾柴又の寅さんの家族と近所との情感とはちょっと違うように感じますここには昭和ロマンがある レトルトの昔を、ただ懐かしむというようなそんな作品ではなかったと思います。
昭和のそれも高度成長前の助け合わなければ生活していけない一種の下町共同体、近隣の人が強い人間関係を持っていた、ある意味甘ったるいロマン。
世界で第2番目の経済大国、お金一杯持っている幸せの理想の国日本、現在のわが国と対象的な貧しくて世界の2流国時代の昭和30年代の日本の「三丁目の夕日」の方が心をたたく、これって何なんでしょうか。
心が描く日本と現実の豊かな日本とどちらを選ぶか日本人が迷っている姿なんでしょうか。
甘ったるい昭和ロマンを今の日本人が必要としているのでしょうか、そんなことをもう少しこの映画を自分の戦後の歴史と重ねながら分析してみたいと思います。
昭和ロマンは昭和30年代を境に、経済的豊かさを手に入れて消えてしまった この映画はそんなことを思わせます。
是非映画館に足を・・・すぐ
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